もちもち、つぶつぶした食感がたまらないと、リピーターが多いお米のジェラート。その美味しさの秘密は、宮城が誇るブランド米「ひとめぼれ」を贅沢に使い、お米の食感を活かしたナチュリノ独自の製法でつくりあげているからです。そして、ジェラートに使うお米は、名取で美味しいお米をつくり続けている、美田園ファームの田んぼで取れた「ひとめぼれ」だけ。その「ひとめぼれ」は、冷たいジェラートに混ぜても、ふっくらもちもち、美味しさはそのまんま。田んぼが黄金色に染まる秋、美味しいお米を求めてナチュリノがたどりついた、美田園ファームを訪ねました。


名取川流域に拡がる肥沃な大地、古くから米どころとして知られる名取平野に美田園ファームはあります。海に近いこの辺りは、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた地域。農地の復旧がままならず米づくりを諦める農家も多いなか、美田園ファームでは自家のみならず近隣の田んぼまで引き受け、米どころ名取の復興に力を注いでいます。
「うちの家族はとにかく田んぼが大好き。特に親父は米に対する愛情が強くて、津波で海水かぶっても米づくりを諦めなかった。親父を見ていると思う。いまの時代、米を食べなくなっているけど、日本人にとって米は本当に大切なんだと。それに、なんといっても新米はウマい!毎年、新米の時期になるとワクワクするんだ」そう語るのは、大友慎吾さん。先祖から受け継いだ田んぼを守る父と兄とともに、ふるさと名取の復興を目指すため2年前に東京から帰郷しました。

名取に帰る前は、銀座の和食店で店長を任せられていた大友さん。順風満帆な仕事をやめて帰郷した理由をたずねると、「うちの米がウマいって、東京で改めて気付いたんです。震災復興のこともあるけど、いつかは故郷でうちの米や野菜の美味しさを伝える店をやりたい、そんな思いもありましたね」と大友さん。あるとき、実家から届く新米を銀座の店でお客様へお出しして、その残りを翌日のまかないにしたところ、温め直したご飯に関わらず「このメシ、ウマいなぁ!」と、スタッフから驚きの声があがったそう。その時、自分にとっては当たり前だった実家の米の本当の価値に気付いたといいます。同時に、その美味しさを多くの人に知ってもらえない現実に歯がゆさも感じました。
「うちの田んぼでとれた米は、冷めてもこんなに美味しいのに、市場に流通する時はよその田んぼの米とブレンドされてしまう。いつか、うちの米の本当の美味しさを消費者にそのまま届けたい」。東京にいるころからそうした想いを温め続けてきた大友さんが、生産者と消費者を直接つなぐ仕組みとして名取で起ち上げたのが「美田園マルシェ」でした。


「美田園マルシェ」とは、美田園ファームの米はもちろん、震災からの復興を目指す近隣農家が栽培するニンジン、ホウレンソウ、ネギ、アスパラガスなど、新鮮な地野菜を直接消費者へ届けるオンラインショップ。厳選された地野菜はもちろん、曲がりキュウリや虫がかじった減農薬の葉野菜など、見た目は個性的だけど美味しい野菜も好評で、少しずつその活動が広まりつつあります。なかでも美田園ファーム自慢の「ひとめぼれ」は、多くの人が新米の季節を待ち焦がれる人気商品。ナチュリノでお出しするお米ジェラートも、新米時期の美味しさはまた格別なのです。
「新米って、炊いただけの穀物でしょ。それを美味しい、って思うのは日本ならではの文化だと思う。いま、日本人がなくしかけているそういう大切な感性も伝えていきたい」。
故郷の復興を目指す志、お米にかける愛情、そんな大友さんの想いの数々を、ナチュリノはこれからもジェラートを通してお伝えしていきたいと思います。


もちもちつぶつぶの食感が特徴、美田園ファームさんの名取市産「ひとめぼれ」を使用